日本合気道協会とは

理念

本協会の合気道は、「形」および「乱取り」の併行した修行と学修をとおして、身体の健康と人格の向上を図り、「無心無構」の境地を志向する。

武者修行の王道は、先達の残した「形」の修行・研究と、実践の場に代わる「乱取り」稽古とを偏りなく研鑽するところにある。我々は、富木謙治師範の創案した「合気道乱取り法」によって、「形」のみによる稽古の陥りがちな独善性を排す。また一方で、「形」の稽古によって「乱取り」のみによる稽古の陥りがちな狭小な勝利主義を排し、学修を加えることによって理想の境地への接近を図ろうとする。

学修とは、合気道の技芸の修行に含まれる豊かな思想のみならず、人格の基盤をなす古今東西の古典的教養書の学習と科学的精神の育成していくことを意味する。民族・宗教間の紛争が深刻な国際社会において、武道をとおして世界平和に貢献しうる優秀な日本人が求められている。合気道修行者が、身心の元気と広範な教養を学修し、人格を高めていくことは、国の内外で活躍し、世界平和に貢献する基盤となるのである。

日本武道の最高の境地は、身体面における「無構え」と精神面における「無心」である。「無構え」は、構えなき構え、「無心」は、物事へのこだわりから解放された自由な心である。前者は、むしろ基本の構えの修練を経て目指され、後者は、むしろこだわりへの徹底から微かに見いだされるというべきであろうか。いずれも至高の境地であり容易に到達しがたい。理念として掲げる所以である。

本協会は、如上の合気道の普及をとおして、日本また世界で活躍できる有為な合気道愛好者の育成を目指すものである。