初段をとるためには
最初は白帯から
武道を始める方の中には、「黒帯」に憧れをもって入門される方も多いかと思います。黒帯は相当以上の修練を積み、先達者に「初段」に値すると認められた者にのみ与えられるものです。
そこに至るためには、まず入門者として「白帯」を腰に巻くところから始まり、昇級審査、昇段審査を経て、初段を合格した後、「黒帯」を巻くことができるようになります。
昇級審査と昇段審査
入門して基本的な動作を覚えた後は、修練者の熟練度をはかるため、昇級審査を行います。昇級審査は所属している道場で行われ、それまでに習得した動作や技の審査を行います。
最初は受け身や運足など、基礎的なものが審査されますが、級が上がるごとに要求される内容は高度になり、より多くの修練が必要とされていきます。
道場で一級を取得した後は、協会で公式に行われる昇段審査に臨むことになります。昇段審査では基本的な動作や技の熟練度はもちろんのこと、合気道の知見を試すための論文作成も課されるなど、初段としての総合的な資格が問われることになります。
初段に求められるもの
初段を取るためには基本的な技を一通りできるようにしなければなりませんが、重要なのはできる技の数だけではありません。同じ技でも白帯よりも上手にできることが求められています。
自分の技を上達させるためには、もちろん技を繰り返し練習する必要もありますが、審査対象となる技だけを練習していれば良いわけではありません。運足や手刀単独運動のような基礎練習の成果が技の完成度にもつながります。昇段審査では技のなかでの運足の仕方や手刀の使い方などが見られています。
また、稽古のなかで黒帯は指導の立場に回ります。合気道の練習体系を理解し、自ら新しい黒帯を育てられるような指導力がなければ、一人前の有段者とは言えません。日々の稽古のなかで師事する指導者がどのような教え方をしているのかを意識して確認し、その要点を理解できるようにすることが初段には求められています。